マスコミによる大衆意識の操作・悪影響」の研究 

Law & Media

中央大学 教授 (総合政策学部)
米国弁護士 (NY州)
平野 晋

関連ページは、「大衆の危険意識」「法と認知科学/行動主義」「現代製造物責任法」「現代不法行為法理論」「ロボットPL」参照。

Susumu Hirano
Professor of Law, Faculty of Policy Studies, Chuo University (Tokyo, JAPAN)
Member of the New York State Bar (The United States of America)
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当サイトは「マスコミの弊害」の研究および教育用サイトです。

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目次

 

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大衆の危険認識を必要以上に増長させる弊害

マスコミは、大衆による危険認識を増長させるために、しばしばcognitive bias(認知上の偏見)を利用する、と指摘されています。

See Henderson & Rachlinski, infra, at 248.

利用可能性ヒューリスティックス(heuristics:簡便法)と代表性ヒューリスティックスに関するカーネマンとトヴァースキーの研究結果を用いれば、マスコミが個別的出来事を強調するあまり、広範囲なトレンドや一般的な社会現象の分析を怠ってしまうために、vividだけれども比較的に稀な出来事やイメージの恐怖を、理不尽なまでに人々に引きお越し得るという問題が、明らかになります。 法と行動理論の研究は、既にこのような現代マスコミによる有害な影響について、「availability cascades」とか、個人の危険意識に関しての「overwhelming informative」条件等として、扱って来ています。

See Yablon, The Meaning of Probability Judgments, infra, at 925-26 & n.153 (Timur Kuran & Cass R. Sunstein, Availability Cascades and Risk Regulation, 51 STAN. L. REV. 683, 683 (1999)を出典表示しながら). 「ヒューリスティック」については「法と認知科学/行動分析」のページを参照下さい。

vividな出来事や事件を何回も繰り返しマスコミや公の場で提示することで、利用可能性ヒューリスティックの効果が増大されます。その問題を、Cass Sunsteinは「informative cascade」等と呼んで警笛を鳴らしています。

See Yablon, The Meaning of Probability Judgments, infra, at 936-37 & n.216 (Timur Kuran & Cass R. Sunstein, Availability Cascades and Risk Regulation, 51 STAN. L. REV. 683, 685 (1999)を出典表示しながら).

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熱いコーヒーをこぼしてファーストフード店を訴えたら大金をせしめることができたという偏見を植え付けたマスコミ報道の弊害

マスコミは、特定の種類のストーリーを「newsworty」(報道するに値する)ものとして好む傾向がある。newsworthyなストーリーには以下の四つの特徴が見られます。 
@ personalization、
A dramatization、
B fragmentation、
C normalization。 
 
@は個人に焦点を当て、これはBの要素である、全体から物事を見ないでばらばらに些細な点に着目することに通じます。
Aは、「infortainment」(informationとentertaimenntから成る造語?)な現代にマッチした考え方でセンセーショナルな出来事を好みます。
Cは通常の文脈・生活に於けるドラマを好むという具合です。 

McCann, et al., at 131-32(W. LANCE BENNETT, NEWS: THE POLITICS OF LITIGATION 21-64 (2D ED. 1988)を引用しながら).

熱いコーヒー事件は、個人的な紛争である点や、センセーショナルな結果だったことなどから、正に上の特徴に当てはまるnewsworthyなストーリーだったため、正確な報道がなされなかったのです。

McCann, et al., at 132.

上のMcCannの指摘に、前掲Yabonによる指摘を当てはめてみると、マスコミが正に、人々の「ヒューリスティック」(簡便法)な問題を生じさせるような報道を行ったという点に於いて、問題があると思いませんか?

 

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社会的議論の対象・議題を決め付けることができるというマスコミの権力特性

マスコミの真のパワーは、どの論点に顕著な焦点を当てて報道するかを決めることができてしまう点にあります。agenda-setting functionにこそパワーがあるのです。

See Note, Behavioralism, and Counteradvertising, supra, at 1168 & n.48.

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以下の論文が参考になります。

 

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