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ケース・ブリーフの作り方

平野 晋 (*) 
(*) ひらの すすむ。米国(NY州)弁護士、中央大学(総合政策学部)教授。 本稿の意見の部分は私見であって、筆者の所属組織のものと一致するとは限りません。
Copyright (c) 2002-04 by Susumu Hirano.   All rights reserved.
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参照: 平野晋 「国際法務から”政策”法務へ(下)」 『国際商事法務』 30巻4号___頁 (2002年4月)掲載予定 .

【未校閲版】   Apr. 14, 2002
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ケース・ブリーフ作成の仕方に関する説明資料例 


平野晋 「国際法務から”政策”法務へ(下)」 『国際商事法務』 30巻4号___頁 (2002年4月掲載予定)から、「ケース・ブリーフ」を説明した部分の引用

【未校閲版】   Apr. 14, 2002
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   判例を分析する手法として、米国では、判例を読んだ上で「ケース・ブリーフ」というものを作成します。ここで言う「ブリーフ」というのは、男性下着の意ではございません。「要約」という意味なので、判例要約ということになります。ケース・ブリーフの仕方には、それぞれ各人の個性に応じて千差万別なものがあるようです。しかし概ね、長ったらしい(?)判例の原文を、「事実」(facts)「訴訟手続上の経緯」(procedural history)「争点」(issues)「判決/決定」(holding)「法理」(rules)「理由」(reasons)というような主要な項目に分けて要約すれば良い良いようです。各項目をまとめる際の留意点は、以下の通りです。

【未校閲版】   Apr. 14, 2002


サイテーション(出典)などリーガル・ライティング(法律文書の書き方)について


平野晋 「国際法務から”政策”法務へ(下)」 『国際商事法務』 30巻4号___頁 (2002年4月掲載予定)から、「セカンダリー・マテリアル」を説明した部分の引用(含、「図d」)

【未校閲版】   Apr. 14, 2002
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セカンダリー・マテリアル(二次的資料)の活用

   ある法律分野の概要を知りたいときには、いきなり条文を見るよりも、概説書などをまず読んで全体像をとらえた方が効率的です。米国法をリサーチする場合にも同じことが言えます。判例や条文(これを「プライマリー・オーソリティ:一次的法源」といってその権威は高いものではありますが)をいきなり読んでも全体像はつかみにくいので、日本の基本書に相当するもの(これら基本書とか論文など、一次的法源以外のものを「セカンダリー・マテリアル」と言います)を読むことが効果的です。(図d.参照【以下】) 
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「図d.」

主要なセカンダリー・マテリアル (*1)

*1) See MARJORIE DICK ROMBAUER, LEGAL PROBLEM SOLVING: ANALYSIS, RESEARCH AND WRITING 12-13 (3rd ed.) 1978).
いわゆる「基本書」的な文献。例は不法行為法における権威的な資料。
全米的な判例傾向を「言い直し」て条文化し解説や例示も付した編纂物。例は不法行為法判例のリステイトメント。
law review 大学の「紀要」や研究機関の発行するperiodicals。例はコーネル大学ロースクールの国際法律系紀要。
それから、法律用語辞典として以下が有用。
さらに、法律英文における字体や出典表示(*2)のルールについては以下が有用。
*2)たとえば、筆者が留学時代に執筆して公表された紀要(ロー・ジャーナル論文)を出典表示する場合は、このBlue Bookのルールにより以下のように示される。
Susumu Hirano, Note, Drafts of the Japanese Strict Product Liability Code: Shall Japanese Manufacturers Also Become the Insurers of their Products?, 25 CORNELL INT'L L.J. 643 (1992).

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   特にお勧めしたいのが、大学などの公的研究機関や商業機関が出版する、日本では「紀要」などと呼ばれるものに匹敵する論文を読むことです。law journal とかlaw reviewなどと呼ばれるこのような論文は、ある論題について結構突っ込んだ分析がされているものも多く、考え方や争点などを理解するのに役立ちます。ロースクールなどでゼミを履修したりlaw journalの編集員になったりすると、自分で論文を書くためにも先人たちの論文を大量に読みこなすことを強要されますから、将来留学を志す人々にとっても論文を読む習慣は大切です。

  たとえ留学しなくても、最近では判例と同様にウエブサイトで英文の法律論文が公開され只でダウンロードできるものも多数出てきたので(さらに主要ロー・ジャーナル / ロー・レヴュー論文などは国際商事法研究所でも会員向けに利用できます)、そういう論文を独学で読み込むことも大変有益だと思います。いやむしろ留学しても何となく学位を取るだけで済ますよりも、日本に居ながらにして必要に迫られて特定の論題に関する論文を読み込んだりして自分で法理を整理した方がずっと力になるのではないでしょうか。その姿勢は、日本のお医者さん方が実務に携わりながも米国の最新の症例や治療法を貪欲に学び続ける態度にも似た、プロフェッションと言われるに相応しいものではないでしょうか。

【未校閲版】   Apr. 14, 2002


Think Like a Lawyerなど、ロー・スクールにおける教育方針、勉強の心得・姿勢など




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