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ジョン・グリシャム
法と文学

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ジョン・グリシャム著『レイン・メーカー』の研究

THE RAINMAKER

(構築中 Always under Construction)

中央大学教授(大学院&総合政策学部)および

米国弁護士(NY州法曹界所属)

平野 晋

Susumu Hirano
Professor, Graduate School of Policy Studies, Chuo University (Tokyo, JAPAN)
Member of the NY State Bar (The United States of America)
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当サイトは小説家・米国弁護士のジョン・グリシャムの作品の研究、批評、およびそれを通じた法律学の研究・教育用サイトです。  


First Up-loaded on Apr. 28, 2000
Last Revised  on May 10, 2000.
1st proof read on May 14, 2000.

  フロリダ大学法学教授らによる分析(1)より。

(出典: Amy R. Mashburn & Dabney D. Ware, Law and Literatutre: A Collection of Essays on John Grisham's The Rainmaker: The Burden of Truth: Reconsiling Literary Professional Mythology, 26 U. MEM. L. REV. 1257 (1996).)


First Up-loaded on Apr. 28, 2000
1st proof read on May 14, 2000.

 フロリダ大学法学教授らによる分析(2)より。

(出典: Jeffrey L. Harrison & Sarah E. Wilson, Law and Literature: A Collection of Essays on John Grisham's The Rainmaker: Advocacy in Literature: Storytelling, Judicial Opinions, and The Rainmaker 26 U. MEM. L. REV. 1285 (1996).)

First Up-loaded on Apr. 24, 2000

 アメリカ破産法協会誌における分析より。

(出典: Romaine S. Scott III, (BookRview) The Rainmaker, 1995 AMERICAN BANKRUPTCY INSTITUTE JOURNAL LEXIS 96 (July 1995).)

『レインメーカー』(THE RAINMAKER)

出典:

JOHN GRISHAM, THE RAINMAKER (Iland Book, 1995).


Up-loaded on  Nov. 22, 1999
Revised on Mar. 6, 7, 16; Apr. 8, 18, June 14, 2000
 
あらすじ


未校閲

一流ではないロー・スクールで成績も振るわない主人公ルーディー・ベイラー(映画ではマット・デーモンが演じる))は、卒業単位取得が容易(用語参照)であるという理由だけ「高齢者法」科目を選択する。同科目は実習科目で、老人ホームに出向いて指導教授の監督の下に無料法律相談を受け付けて、相談結果のメモランダムを作成すれば卒業のための小論文提出要件も満たせる(用語参照)というものだった。同科目の実習で訪れた老人ホームでベイラーは、大金の遺産を持っていると自称する老婦(ミス・バーディ)の遺書作成を手伝い、これで自分もレイン・メーカー(用語参照)になれるとばかりに夢を見る。もっともミス・バーディの云うことは、どれもでたらめのおそれがあった。ベイラーが受けたもう一件の依頼は、双子の兄から骨髄移植を受けさえすれば一命が救われるはずの息子ダニー・レイ・ブラックの両親からのものだった。グレート・ベネフィットという名の保険会社(アイロニーの何とキツイ名称でしょう!!)がその治療費の負担を拒んでいるために、手術が受けられないという。グレート・ベネフィット保険の約款を吟味し、かつ両親とグレート・ベネフィットとの手紙のやりとりの記録を分析したベイラーは、保険法の教授とも相談して、会社を訴えるべきであるという結論に達する。

ところでベイラーは、苦学してロースクールに通っているために、滞納したガソリン代や元恋人への高価なクリスマンス・プレゼントのクレジットの支払さえもままならなくなっていた。この元恋人からは、プレゼントをあげようとしたクリスマスの直前に振られてしまい、おかげでベイラーは寂しく一人でクリスマスを過ごすハメになる。

さらにひどいことには、行き先の無くなったそのプレゼントを返品しようと思っていた矢先、ちょっと留守にしていた間に泥棒に部屋を荒らされて盗まれてしまう。振られた元恋人は、クラスでの生まれの良い連中の一人に走って行き、今は妊娠しているというもっぱらの噂であった。ベイラーの方はと云えば、とうとう首が回らなくなり、「チャプター・セヴン(用語参照)の自己破産を申し立てることになる。金がないので弁護士への依頼もできず、本人訴訟(?)(pro se用語参照)という形式での破産手続だった。恋人に振られたことだけでもロースクールでは恥ずかしい思いをしているのに、ましてやカードローンで自己破産したなどという話は絶対に知られたくなかったけれども、クラスの中でも生まれの良い意地悪な連中は、このスキャンダルをロースクールで容赦なくバラまくのだった。

ショックから立ち直らないベイラーであったが、運命はその不条理さを容赦なくベイラーに発揮し、今度は内定が決まっていた小さな法律事務所が大手事務所に買収されたあおりを受けて、内定取り消しにあってしまう。ここに至っては、3年間の「苦役」の終焉を記念するはずの卒業式にも、恥ずかしさゆえに欠席することにせざるを得ない...。卒業式の前日ベイラーは、一人寂しく卒表証書をこっそり受け取ることにしたのだった。

ところでベイラーは、遺言状の依頼を受けたミス・バーディがもしかしたら大金持かもしれない、と色気を出して、その家に足繁く通っていた。見るところあまり高級とは言えない一軒家に住んでいるミス・バーディ。家の二階が空いていたので、経済的に困窮状態にあるベイラーはそんなことをおくびにも出さずに、そこに住まわしてくれるか否かをバーディに訊ねたところ、思いの他の低家賃で住む約束が成立した。我ながら上手く交渉jしたと自己満足するベイラーだったが、この約束には落とし穴があった。安い賃料の代わりに付帯条件が付いていて、庭仕事や日曜大工をベイラーがやるという取り決めになっていたのだった。住み始めてから間もなくして、バーディは、何年も放置されていた家のいたんだ箇所の修理や雑草取りなどの庭仕事を過酷なほどにベイラーに強いて来る...。(といってもバーディは気の良いおばあちゃん風に描かれているので、この項に関する小説内の記述はちょっとしたジョークであろう。)

卒業した途端に失業する憂き目を目前にしたベイラー。もうとっくに就職シーズンも終わって働き口もない中を、当たって砕けろとばかりにアポなしの就職活動をするうち、やっと「補助職員、パラリーガル(用語参照)のポジションで雇ってくれそうな事務所に出くわす。しかしその事務所は、高齢者法で得た白血病の案件をベイラーから取り上げる魂胆でベイラーに内定を出しただけだったことがすぐに判明する。ベイラーは夜中に抗議をしに行ったけれども、事務所側は取り合ってくれなかった。しかもその翌日には、問題の法律事務所が不審火で焼失するという事件が起こり、ベイラーは放火の容疑まで掛けられる始末である。

そんな窮地を脱するために頼ったのが、学費を稼ぐために数年の間バイトをしていた酒場のオーナー、プリンスであった。プリンスは、バーの他にもトップレス・バーなどを経営して闇の世界に明るい。おまけに、闇のビジネスを法律面でサポートしている弁護士のブルーザーという友人もプリンスは持っていた。ベイラーの窮地を相談されたプリンスは、その持ち前の男気からブルーザーを紹介してくれる。さらには就職口まで気遣って、ブルーザー・ストーン(映画ではミッキー・ロークが演じる。何と適役!!)の事務所への就職を斡旋してくれたのであった。

どこか胡散臭いブルーザー(映画ではミッキー・ロークの役。何と適役なキャスティングか!!)の事務所への就職に、ベイラーはあまり乗り気ではなかった。しかし、放火事件の容疑をあっという間に晴らしてくれた手前もあり、不承不承に就職を受諾するベイラー。そこでの労働条件を聞いて驚いたことに、ブルーザーの事務所では、各アソシエイトが自分の「食いぶち」案件を自分で探し出すことになっており、その案件について依頼人から得た報酬の3分の一をブルーザーに差し出すという取り決めになっていたのだ。自分自身で探し出す案件とは、主に人身損害事件で、病院の待合室などでうろついて怪我人に名刺を差し出し、もし事故に巻き込まれたのなら成功報酬で事件を受託する、と申し出るというものだった。すなわち「アンビュランス・チェイサー(用語参照)なのである。

そうこうしている内に法職資格試験(バー・イグザム、用語参照)の受験準備のために病院の待ち合い室で勉強をしていたベイラーは、夫の暴力で骨折した若くて美しい人妻のケリー・ライカー(映画ではクレア・デインズが演じる)と出会う。夫の虐待に耐える必要はない、と離婚を薦めるベイラーだったが、ケリーは夫の改心を信じてかあるいは夫の暴力を恐れてか、ベイラーの勧めもきかずに退院して行くのであった。

ブルーザーの事務所でもうひとつ驚いたことには、ロールスクールは出たけれども何度受験しても受からないために無資格で案件を漁る人物が居たことだった。(ちなみにバー・イグザムに受からない云々というくだりはアメリカ法職作家のミステリーによく出てくる話かもしれない。Sキプラー, e.g., スコット・トウーロー著『_________』(実はバー・イグザムに受かっていないことが判明してしまう法務部長が登場する))デック・シッファーという名のその男は(映画では出ニー・デヴィトーが演じる。これもハマリ役!!)、ベイラーに付き添って病院に行き、病人からまんまと案件を受諾する方法を伝授してくれた。こうしてデックが取ってきた案件についてベイラーが依頼人から受け取る成功報酬は、その三分の一をデックに分け与え、後の三分の一をブルーザーに収めることになるのだった。弁護士資格の無い者との間で報酬を分配することは、職業倫理規範上禁じられていたが(用語参照)、ブルーザの事務所は倫理など縁遠い世界だった。

受験した法職資格試験の結果もまだ発表されない内に、ベイラーが「高齢者法」の実習で受任してきたダニー・レイ・ブラックの白血病の訴訟の法廷陳述の日が近づいてきた。法廷経験どころか法職資格さえも未だ取得していないベイラーに対し、ブルーザは法廷に一緒に立つから心配するなと云ってくれた。しかし、初の法廷デビューのその日、いくら待ってもブルーザは事務所に現れない。ブルーザと相棒のプリンスは、新聞でも怪しい取引に関与したことが取りざたされるようになっていたので、ひょっとすると高飛びしたのかもしれなかった。ベイラーはやむなく一人で法廷で弁論することになる。被告保険会社グレート・ベネフィット側の弁護団は、地元でもエスタブリッシュされた一流の法律事務所で、イェール大学ロースクール出の老獪なレオ・F・ドラモンド(映画ジョン・ヴォイトが演じる)を筆頭に、コロンビアやハーヴァードといった「アイビー・リーグ」卒のアソシエイトを加えた百戦錬磨の防御チームだった。対するベイラーは、まだ法職資格さえ有さない、地方の州立メンフィス・ロースクールを出たばかりの新米である。被告側弁護士は、資格の無いベイラーが代理人になることへの異議を申し立てる。判事はその申立の審議のために、ドラモンドとベイラーの二人をチェインバー(判事室、用語参照)に呼ぶのであった。判事室ではドラモンドが、すかさず訴訟費用程度の低額な和解を申し出てきた。さらに驚いたことには、判事さえもしめし合わしていたかのように、ドラモンドの申し出をベイラーが飲むように云ってきた。思えば判事とドラモンドは同じイェール・ロースクール出身。しかも判事は企業に有利な判断をすることで有名だった。おそらくは二人の間には一種の連帯関係があると推察されたのである。ますます分が悪いと思いつつもベイラーは、示談などに応じるつりは無いと確信していく。そもそも訴訟のこんなに早い段階に、いかにも劣勢のベイラー側に対して示談を申し出てくるとは。グレート・ベネフィット側には何かやましいところがあるに違いない...。それがベイラーの「読み」だった。そうは云っても法職倫理規範上は、示談に応じるか否かの最終決定をする権利は依頼人自身にあるので、ベイラーはブラック一家に相談し、一家は示談に応じない決断を下す。示談で今、低額な金を受け取っても、手術によってダニー・レイの命を救うにはどのみち既に遅すぎたのだった。

ブルーザの突然の雲隠れのためにベイラーらは、事務所の主を失ってしまった。そこで結局、デックとベイラーの二人だけの小さな事務所を開業することになる。デックとしては法職資格が無いので、ベイラーと組んで事務所を持ち、依頼人からの報酬の分け前を得るというアレンジを熱心に勧めて来た訳である。ベックの取り分は半分。悪くない取引だった。しかしベイラーからすれば、アンビュランス・チェイサー業務にはどうも抵抗を隠し得ず、公選弁護士やパブリック・インタレスト・ロイヤー的な仕事を引き受けたがるのであった。デックは「準弁護士」(paralawyer)というきいたこともない職種の肩書きを名刺に書き入れて、営業に励むjのだった。

ところで「ブラック一家対グレートベネフィット保険会社」事件の方は、被告に有利な判事が突然死亡するという展開を見せる。代わりに選任された判事は、ベイラーが良く知っている黒人の弁護士キプラーであった。キプラーは、ベイラーのロースクールでの黒人の親友のVVが就職した事務所のパートナーで、公益弁護活動もやり、保険会社を訴えたこともある徳の高い人物。法職資格試験の受験勉強のために、キプラーによる憲法(人権規定)の個人レッスンをベイラーはVVと共に受講したことがあったのである。(ちなみにVVは残念ながら、法職資格試験にわずかの点差で落ちてしまったけれども、その後の再検討の請願手続で合格 --用語参照-- する。) キプラーが判事になってグレートベネフィット保険事件を担当することが判明し、ベイラーがキプラーのもとを訪れると、キプラーは暖かく迎えてくれた。いわく、ダニー・レイの余命が短いために早く訴訟を進行させたければ、「ファースト・トラック--用語参照--な審理の申立をしなさい...。その申立を認めよう...。分からないことがあったらいつでも相談しなさい...云々、という訳である。これまで明らかに戦況不利なベイラーも、これで百万の味方を付けたような展開を見せはじめる。

キプリング判事に代わってから開かれた裁判所でのヒアリング--用語参照--において、ドラモンドらは、「いいがかり訴訟--用語参照--であると主張して、訴えの取り下げや被告側弁護士費用負担の申立などの、多くの申立--用語参照--をして来る。中でも問題になった申立は、事件の連邦裁判所への移送--用語参照--の申し立てだった。キプラーが判事となって本件を取り仕切る裁判は被告にとって不利であるというのが真の理由であることはみえみえな申立である。それが証拠にキプラーが判事になる前には、移送の申立などして来なかったではないか。結局キプラー判事は、移送の申立も含めて被告・保険会社側のすべての申立を棄却する裁定を下し、おまけに、ベイラーが申し立てた「ファースト・トラック」な迅速なる訴訟手続の進行を認容したのだった。

無事に「ファースト・トラック」に乗った「ブラック一家対グレート・ベネフィット保険会社」事件は、早速ダニー・レイの証言録取手続(デポジション)--用語参照--に入る。始めてのデポジションを自らのつましい事務所で行なうことを予定していたベイラーであったが、ダニー・レイの体調が悪くなり、急遽ダニー・レイの自宅でデポジションを行ないたい旨を申し出て受け入れられる。こうしてベイラーにとっての初めてのデポはダニー・レイの自宅の庭で行われることになり、キプラー判事も同席してくれた。  --解説--  ダニー・レイの余命はいくばくもなく、トライアルまで生き延びることさえ危ぶまれるため、このデポの目的は陪審員に彼を見せるための記録保存にあった。  --解説-- したがって百選練磨のドラモンドも、陪審員が同情を示すに違いないダニー・レイへの反対尋問を厳しく行なうようなことはなく、デポは無事終了した。

ダニー・レイはその後、やはりトライアル期日前に死亡する。

ところでベイラーの家主であるミス・バーディのところに、あるとき息子夫婦が急に訪れて来る。これまで電話一本掛けて寄越さなかった息子夫妻だったけれども、ミス・バーディが多額の遺産を有していると記載されている例の遺言書の内容を何かのきっかけで知ったようで、その遺産目当てにフロリダくんだりから母親会いに来たのは明白だった。所詮でまかせな遺書であるにもかかわらず、息子夫妻はそんなことを知る由もなく、ミス・バーディも親族から見放された孤独から解放された喜びを隠さない。ベイラーは、そんな状況下で本当のことを息子夫婦に伝えるのも気が引けているうち、結局は息子夫妻がミス・バーディをフロリダに引き取るというところまで話は進むのであった。

グレート・ベネフィット保険会社の関係者からデポを採るために、ベイラーは被告の本拠があるクリーブランドまで出張する。経費も切りつめなけらばならないベイラーの事務所としては、往復の移動にファースト・クラスに搭乗するどころか、飛行機を使うことさえをも諦めて、グレイハウンドのバスで何時間も掛けて移動したのだった。宿泊先も、一泊40ドル程という低価格のモーテルにした。それに比べてグレート・ベネフィット側の弁護士らは、飛行機のファースト・クラスで移動するのは勿論のこと、宿泊先も、一泊百四〜五十ドルもする高級ホテルに泊り、その費用はすべてグレート・ベネフィット社が負ってくれる訳である。贅沢な移動手段と宿泊施設。被告側の弁護士は十分睡眠と休養を採ってデポに臨める一方、ベイラーは長時間のバスと安モーテルの宿泊ゆえにほぼ眠れられないまま臨まなくてはならなかった。

デポ当日、事前にキプラー判事が命じた証人リストにしたがって録取を始めようとしたベイラーが驚いたことには、重要証人の多くがその場に出てきていないということだった。被告側の「スーツ」族(the suits)いわく、重要証人の多くが転職や退職をしてしまい、グレート・ベネフィット社に在籍しなくなっていたということだった。しかも、そのような転職・在職が起こったのはわずか先週のできごとであるという。さらに驚いたことには、デポの際にすべての関係書類をベイラーに開示するように命じる木プらー判事の命令にもかかわらず、原告一家を「stupid」扱いした問題のレターも、開示書類一式の中に含まれていなかった。

以上のような問題ある対応に対してキプラー判事は、ベイラーと被告側弁護団がクリーブラントから帰ってくるなりヒアリングを開き、直ぐにデポをきちん開き直すように被告側に命じると共に、ベイラーの出張を徒労に終わらせたことへの罰金をグレート・ベネフィット社がベイラーへ支払うように、サンクションを命じたのだった。 

  ところで、デックから、事務所の電話機に盗聴器が仕掛けられていることを知らされたベイラーらは、ブリーザを追っているFBIの仕業かと疑う。しかしそれが、もしかしたらドラモンド側の仕業であるのではないかという疑いを確認すべく、デックとベイラーは事務所の電話を使って一芝居うつことにした。二人はわざとその電話機を使って、依頼人のブラック一家が和解を望んでいるというデマカセを話合う。すると、案の定、その話を電話でした後に、ドラモンドから和解の申し出の電話が掛かってきた。ドラモンドが直接盗聴しているか、あるいは彼の依頼人であるグレート・ベネフィット保険会社が盗聴した情報をドラモンドに流していることは、ほぼ間違いないようだった。

 和解の可能性については、実際のところブラック一家にその気はなかった。大金などこれまでブラック家が得たことはなかったし、ドットにとっては何の意味もない。ドットが望んでいたのは、グレート・ベネフィットが息子にした仕打ちを正式な記録に残してもらうことであり、グレート・ベネフィットの仕打ちゆえに息子が殺されたことを認めて公に認めてもらうことだった。

 ベイラーはクリスマス休暇を利用して、ロースクールで保険法を指導してくれた恩師のレックス・ロイバーグ教授のところに本件についてのアドバイスをもらいに行く。教授は、グレート・ベネフィット社の新しい保険証券約款契約書を入手してくれていて、そこには、保険金の適用除外事項として、新たに「骨髄移植」が太字で追加されていた。本件訴訟が提起されてから意図的に骨髄手術を適用除外にしたのであり、グレート・ベネフィット社側のやましさを示す証拠であった。

 さらにこのクリスマス休暇を利用してベイラーは、現在グレート・ベネフィット社と訴訟した経験のある4名の弁護士のところへ情報収集に行った。4人目の弁護士クーパー・ジャックソンは、多額の賠償金を得たといわれている男であるが、示談内容等については口外しない旨の守秘契約を締結させられていた。普通、原告側弁護士はこのような守秘契約の締結を嫌うけれども、企業被告側が示談の条件として要求してくるので締結を避けられなかったりする。しかしクーパーは、「ここからが守秘の部分」と言いつつ、おそらくは何百人もの人々にしゃべったに違いない話をしてくれた。

(この続きは、「『レインメーカー』の研究(1の2)」を参照下さい。)


 

(未校閲)

 (構築中)
 


用語解説



サブ・プロットについて

サブ・プロットの全体像は... (構築予定)

評者による分析

『レインメーカー』の研究(1の2)」を参照下さい。


総評

『レインメーカー』の研究(1の2)」を参照下さい。

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First Up-Loarded on Apr. 23, 2000.

 メンフィス大学ロースクール、アマンダ・エスキバル助教授による分析より

(出典: Amanda K. Esquibel, Law and Literature: A Collection of Essays on John Grisham's The Rainmaker: Be Led Not into Temptation: Ethics Lessons from The Rainmaker, 26 UNIVERSITY OF MEMPHIS LAW REVIEW 1325 (1996).)


 

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