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『ペリカン文書』
(構築中 Always under Construction)
中央大学教授(大学院&総合政策学部)および
米国弁護士(NY州法曹界所属)
平野 晋
Susumu Hirano
Adjunct, Graduate School of Policy Studies,
Chuo University (Tokyo, JAPAN)
Adjunct, Faculty of Law, Meiji University
(Tokyo, Japan)
Member of NY Bar (The United States of America)
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当サイトは小説家・米国弁護士のジョン・グリシャムの作品の研究、批評、およびそれを通じた法律学の研究・教育用サイトです。

First Up-loaded on June 7, 2000.
グリシャムの描く女性法曹の姿が女性に対するステレオタイプを助長・永続化させるというフェミニズム的視点からの批判
(当論文のもう少し詳しい紹介については、「ジョン・グリシャムへの批判」のページを参照。)
出典: Carrie S. Coffman, Gingerbread women: Stereotypical Female Atttorneys
in the Novel of John Grisham, 8 S. CAL. REV. OF L. AND WOMEN'S STUD.
73 (1998).
『ペリカン文書』におけるダービー・ショウ [ジュリア・ロバーツ]: 「男性の保護を必要とする犠牲者型女性」
- 『ペリカン文書』のような小説を少なくとも一つは書こうとグリシャムが思ったのは、奥さんに対してグリシャムが、強い女性キャラクターを描けることを証明したかったからである。確かにグリシャムは、とても有能で将来性のある女性としてダービー・ショウを登場させ、このことから読者は、グリシャムが十分掘り下げたキャラクターを描こうと意図していたと読み取るかもしれない。しかしダービー・ショウ[映画ではジュリア・ロバーツが演じていた]は、伝統的な[女性=か弱い]犠牲者像としてステレオタイプな存在である。すなわちダービーは、彼女を助けてくれるジャーナリストのグレイ・グランサム[映画ではデンゼル・ワシントンが演じていた]の保護がなければ生き残れないのである。 Coffman
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- グリシャム作品では女性法曹が出てきてもその役割は非常に限られているけれども、出てきた場合の姿は常に理想主義者として描かれている。ダービー・ショウもエレン・ローク[『評決のとき』に出てくる主人公の男性弁護士のパラリーガル役を申し出て来る有能なロースクールの女学生で映画ではサンドラ・ブロックが演じていたナイーヴな理想主義で、男性社会のプロフェッションで自分の道を切り開こうとしている。 Coffman
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- 『ペリカン文書』の中でダービー・ショウは、グレイ・グランサムという名のレポーターと接触し、彼はダービーにとって「輝く甲冑を纏う騎士」になるのだ。 Coffman
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- ダービーは、父が航空機事故で死んだ際に事件を代理したアンビュランス・チェイサーな弁護士を過誤で訴えたいと願う女性として描かれている。すなわちダービーは、父のための復讐を願ったことが法曹に入る動機となっており、彼女は父親の権威の下で行動していて、自らの意思[・選択]によっては行動していないのである。そして、保護の手を差し伸べるグレイ・グランサムが、父親の代用としてダービーの前に現れるのである。 Coffman
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- ダービーは、[か弱き女性の]犠牲者像から抜け出すことができないでいる。彼女の選択肢は非常に限られていて、カリブ海でグレイ・グランサムという強いられた保護の下に、世間から隔絶されて余生を過ごさなければならないのである。似たようにカリブ海で終わる『法律事務所』の主人公であるミッチーの場合は、[女性ではないから]保護者が居ない[でも一人で生き残るという設定なのである]。

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