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ジョン・グリシャム」 「法と文学

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ジョン・グリシャム著『法律事務所』の研究

THE FIRM


中央大学教授(大学院&総合政策学部)
米国弁護士(NY州法曹界所属)
平野晋

Susumu Hirano
Professor, Graduate School of Policy Studies, Chuo University (Tokyo, JAPAN)
Member of the New York State Bar (The United States of America)
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当サイトは小説家・米国弁護士のジョン・グリシャムの作品の研究、批評、およびそれを通じた法律学の研究・教育用サイトです。  

『法律事務所』(THE FIRM)


Up-loaded on  Nov. 24, 1999
Revised on Nov. 29, 1999; Mar. 16, 17, 2000
 
あらすじ

ハーヴァード・ロー・スクール(法律大学院)をトップクラス(上位5名)で卒業した主人公「ミッチ・マクディア」は、全米的にも最高の初任給とBMWや超低金利住宅ローンまで貸与してくれるメンフィスのロー・ファーム(法律事務所)である「ベンディニ・ランバート、&ロック」に就職する。高収入の見返りに要求される仕事の過酷さは、普通の一流ロー・ファームそれだった。ビラブル・アワーを稼ぐように要求され、早朝から深夜まで犬のように働かされ、まともに自宅に帰れないためにいずれは離婚するような普通のアソシエイト(いそ弁)生活。主人公が配属された部署はタックス(税務)部門で、ケイマン諸島などのタックス・ヘイブン(租税回避地)に持株会社や投資会社を作って依頼人の節税を助ける仕事だった。

普通のスエット・ショップのファームだと思われたそこの実態はしかし、マフィアが麻薬取引で不正に得た金銭のマネー・ロンダリグ(資金洗浄)を請け負うことにあった。新人アソシエイトたちはそのような実態を知らされず、普通の案件をやらされ、子供を設けて家を購入するように奨励される。高収入生活と家族にどっぷり首までつかってもはや引き換えせなくなったときになってはじめて実態を知らせるのが、そのファームのやり方だったのだ。以前にそのファームを辞めた弁護士は誰もいない。実態を知らされても辞めることはできず、不慮の事故死を遂げるのみなのだった。

本来ならまだまだ実態を知らされるはずもない新人アソシエイトの主人公はしかし、突然FBIのエージェントに接触されて捜査協力を要求される。協力しなければいずれは自分も悪事に荷担して逮捕されるし、協力すれば現在の高収入を失うどころか身の危険さえある。

結局主人公はFBIとマフィアの双方を上手く操り、大金を得てまんまと南の島に逃亡するのだった。 


総評

グリシャムを有名作家にさせしめた代表作。これ一作で、地方の無名な人身損害・訴訟弁護士が、一気にセレブになりました。大衆に受けてベストセラー記録を作ったことのみならず、多くのにわかものまね弁護士作家を産むきっかけになったこともまた事実。(ちなみに日本にもそうゆーのが結構居るようですが...)

以下で紹介するようにポズナーは批判的に評していますが、タックス・ヘイブンや過酷なアソシエイト生活を大衆に知らせるきっかけになったことは事実だと思われます。

評者の個人的経験で申し訳ありませんけれども、ちょうど評者がアメリカの某有名大ロー・ファームの弁護士生活を始めた頃にちょうどこの映画(トム・クルーズ主演、ジーン・ハックマン共演)が日本で公開され、アイソシエイト生活とはやはりあの通りだと納得させられたという印象を強烈に受けました。

 (構築途中)

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リチャード・ポズナー(シカゴ大学上席兼任講師・連邦控訴裁判所第七巡回区裁判長による評価)

そもそもは「法と経済」の分野で有名になったポズナー判事は、もう一つの学際分野である「法と文学」の研究者としても非常に有名です。そのポズナーは、グリシャムの「法律事務所」を次のようにちょっと厳しく評しています。
 


Carl T. Bougus教授(シラキュース大学)の論文「栄誉ある専門職の死」
『インディアナ・ロー・ジャーナル』誌 より


Carl T. Bougus, The Death of an Honarable Profession, ____ IINDIANA LAW JOURNAL ___ (19____) available at <http://www.law indiana.edu/cgi-bin/print...2/bofus.html?multiple+AND+representation> (Visited Mar. 14, 2000).
_________________

_____________

弁護士は、依頼人の利益に尽くすべきでしょうか?それとも、社会貢献・公共の利益と依頼人の利益との双方に仕えるべきでしょうか? この問いに対し、アメリカにおける法職者の職業倫理規程は、次のように云っております。

 「弁護士は、依頼人の代理であり、法律制度の官吏であり、かつ正義の質[の維持]に対して特別の責任を担うパブリック・シティズンである。」

出典: __________.



「パッディング」("padding") --- 弁護士報酬の「水増し請求」という問題に関して。
前掲Carl T. Bougus教授の論文「栄誉ある専門職の死」より。

(構築中) As of Mar. 17, 2000.
1st proof reading on Feb. 25, 2003.

グリシャムの描く女性法曹の姿が女性に対するステレオタイプを助長・永続化させるというフェミニズム的視点からの批判

(当論文のもう少し詳しい紹介については、「ジョン・グリシャムへの批判」のページを参照。)

出典: Carrie S. Coffman, Gingerbread women: Stereotypical Female Atttorneys in the Novel of John Grisham, 8 S. CAL. REV. OF L. AND WOMEN'S STUD. 73 (1998).

『法律事務所』において唯一かつて採用されて殺された女性アソシエイトは、 「キャリア女性が脅威と受け止められてしまうような女性法曹」のステレオタイプである、と批判。



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